3Dスキャナー(3Shape)について

3Dスキャナ(3Shape社製Trios3、i Tero Element)とは

当院では、光学スキャナー(以下、3Dスキャナー)を西日本エリアでいち早く導入し、患者様の快適性を向上させるよう取り組んでいます。

スキャナーは、主に矯正治療で使用する機械になります。

まず、矯正治療をスタートする前に矯正検査が必要となります。従来の矯正検査の中には、粘土のような柔らかい印象材を口の中に入れ歯型をとる必要がありました。印象材が硬化するまでの1分間ほど患者様は我慢をする必要がありました。大人であっても息苦しかったり、嘔吐感が出たりと患者様にとって大きな壁となっていました。

その型取りをすることは、矯正治療を進めるために省略することができない必須となりますが、印象材を使わず歯型が取れる、”3Dスキャナー”の登場です。

3Dスキャナーとは、口腔内に小さなカメラを入れ動画のように歯型を立体的に撮影する機械です。上下の歯列を3分程度で終わりますが、3Dスキャン中も休みながら撮影を行うこともできますし、息苦しくなることも嘔吐感もありません。スキャンを体験された方みなさまが、とても快適に感じてもらっています。

 

快適性のみでなく印象材を使用する場合には、「術者の技術」、「印象材や石膏模型のひずみ」による誤差など、避けることのできない誤差が生じます。つまり、完全な口腔内のコピーが不可能となります。その点、3Dスキャナは歯や歯周組織を忠実に再現することができます。形態はもちろんのこと、色彩まで忠実に精密に再現でき、従来の印象採得よりも情報量が多くなります。精密なスキャンデータからマウスピースの製作まで行うことができますので、精度は申し分ない仕上がりとなります。

他社からも様々なスキャナーが取り扱われていますが、精度、速度、サイズ、いずれも3Shapeが最も優れていることが実証されています。3Shapeスキャナーはレーザー光線を使用し、患者様の歯、歯茎、および噛み合わせの輪郭の形を記録します。他社のスキャナーのような、歯に粉末を振りかけるような操作がいらず、完璧な焦点で10万ポイントのレーザー光を記録します。(パウダーフリー・スキャン技術)

 

装置を製作するための歯型データの取り直しは、10分の1

矯正装置のひとつ、インビザライン・マウスピースを製作するために歯型スキャンデータを取る際、データの不備等でどうしても、歯型の取り直しが必要になる場合があります。
マウスピースの製作にはより精密な印象採得が必要となり、口腔内に印象材が固まるまで5分程度かかります。

シリコン印象では検査全体の4%程度で取り直しが発生するのに対し、口腔内スキャンでは、検査全体のわずか0.4%の取り直ししか発生していなかったことがデータで示されています。
光学スキャナは患者様を再度歯科医院にお呼びして歯型のデータを再取得する必要性を最小限に抑えることができます。

インビザライン・マウスピースのフィット感の不具合が1/7に減少

2011年に行われた研究で、240万のインビザライン症例を分析した結果、インビザライン・マウスピースにおいて、フィット感の不具合が生じたケースは、シリコン印象に対して、口腔内スキャンの光学印象では7分の1でした。
精密なデータは、フィット感に優れるインビザライン・マウスピースを作成する際に、非常に重要であることがわかります。

従来のシリコン印象

光学スキャンニング

治療計画までのスピード化

シリコン印象は、梱包して米国のアライン社に航空便で郵送するため、印象データを取得してから、”治療計画”を作成するまでには、通常2週間ほどかかります。日本で行う治療には、どうしても郵送のための時間的なロスが発生してしまいます。また、天候や航空事情による遅れが出ることもありました。
口腔内スキャンを使用した場合、検査データはインターネットを通じて、瞬間的に米国のアライン社に送られるため、クリンチェック治療計画は、一般的にシリコン印象の場合よりも半分の時間で治療計画を作成することが出来ます。

患者様の苦痛を軽減

インビザラインのための精密検査では、歯列や歯茎の型を取るシリコン印象を用いていました。シリコン印象では、臭いや味のある歯科材料を使って歯型を取るために、吐き気を感じられる患者様が多くいらっしゃいました。3Dスキャナでは、歯や歯茎にレーザー光線をあてるだけで、臭いや味のある歯科材料を使うことはないため、患者様の吐き気が抑えられます。検査途中に、休憩したり、口をゆすいだりすることもできます。

3Shape公式サイト・動画